コグトレとは?
5教科を指導する学習塾は無数にあります。
知育教育を実践している塾や教育機関も多々あるでしょう。
ですが、「認知機能」に注目している教育機関は、まだ少ないように感じております。
その「認知機能」の強化に特化した教材、それが「コグトレ」です。
ケーキの切れない非行少年たち
「ケーキの切れない非行少年たち」という書籍をご存知でしょうか。
子どもだろうと非行自体は許されるものではありません。
ですが、その子たちが、本来持っているべき①記憶力②言語理解力③注意力④知覚力⑤推論・判断力を欠いているとすれば、どうでしょうか。
・簡単な足し算や引き算ができない
・カタカナや簡単な漢字が読めない
・簡単な図形が写せない
・短い文章を復唱できない
どうでしょうか。
すでに、「世界の見え方自体が違う」と思いませんか?
筆者は、このことがその子へのイジメにつながる、または不真面目な子として扱われる、加えて、家庭や環境要因が重なり、SOSを見逃された子どもたちが放置され、ストレスを溜め、非行に走るケースが多々ある、と警鐘を鳴らしています。
反省を促そうにも、反省の土台となる道徳観や倫理観を理解する土台自体が崩れているから、反省できない。普通の方からはそれが許せない。で、社会から排除される。再犯をくり返す。それが負の連鎖となり続いていく。
だから、その連鎖を止める教育が必要だというのが、大まかな筆者の主張です。私も多くの子どもたちを見ていて、納得する部分が多々ありました。
認知機能
認知機能とは、先ほどの①記憶力②言語理解力③注意力④知覚力⑤推論・判断力といったいくつかの要素が含まれた知的機能を指します。
人は五感を通して外部から情報を得て、その情報を整理し、それを基に計画を立て、実行し、結果を出します。
ですから、例えばその中の「見る」「聞く」力が弱ければ、先生などの指示が伝わらないことになります。教科書などを自力で読めないことにも繋がります。ここで、まず基礎学力にひずみが生じます。
加えて、「想像」の力も弱ければ、そのひずみを予見して修正することもできません。人の気持ちを察することも苦手とし、ストレスを溜め、感情コントロールがうまく機能しないことにも繋がります。
生活する上でも、学力を上げるうえでも、「認知機能」は土台であり、その土台がしっかりしていなければ、どんな科目学習も生活指導も、空回りしてしまう恐れがあります。
認知機能と学習との関係
認知機能は、発達障害や学習障害の方(ASD)だけの問題ではなく、普段の私たちの苦手の中にも潜んでいます。
・勉強してなさそうなのに成績が良い子もいる。
・いくら勉強をしても、思ったほど成果が出ない。
・図形や関数がやたら苦手だ。
・漢字や英語の単語が覚えづらい。
・暗記に時間がかかる。
・計算ミスが多い。
・分数や小数の理解に時間がかかる。
・整理整頓が苦手だ。
・算数や数学の文章問題が苦手だ。
・国語の文章読解が苦手だ。
・集中力が持たない。などなど
これらは、本人の努力だけの問題ではなく、学習の土台となっている「認知機能」に差があることから生じている可能性もあります。
なので、生まれつき運動能力が違うのと同様に、認知機能も生まれつき差がある、ということになります。それが勉強効率にも影響するわけです。
人が皆「認知機能」の凹凸がある以上、勉強に得意不得意が出るのは避けられません。
だからこそ、科目学習だけでなく認知機能の強化にも目を向けていかなければならない、と考えています。
ビーインでのコグトレの位置づけ
「コグトレ」は、「ケーキの切れない非行少年たち」の著者である宮口幸司先生が代表をされている「コグトレ研究会」により研究・作成された、認知機能の強化に特化したトレーニングです。
一見、幼児向けのパズルに見えるものから、大人でも唸るくらいの、複雑な処理を要するものもあります。
ビーインでは、幼児教育では積極的に取り入れ、今後の学校生活での土台を形成するのはもちろん、小中学生、高校生に対しても、特定の機能の弱点が見えた段階で、生徒に合ったレベルのコグトレを導入します。
もちろん、ご家庭での活用に関しても、指導とフォローをさせていただきます。
学校でも既に導入されているところがあると聞きます。
確かに、科目学習や点数、順位も重要な基準です。
しかし、実は、根幹に認知機能の問題があり、そのケアが結果的に、成績を上げることにも、さらに子どもに自信と安心を与え、自己肯定感を高める、ということにも繋がっています。
子どもも大人も、必ず、得意不得意を持っています。
凹凸は、誰にもあるものです。
自分の凹凸を知り、へこみは埋めるトレーニングを、長所はさらに伸ばすためにも、「認知機能」の強化は大切であり、その対策として「コグトレ」を利用し、検証していきたいと思っています。